もんじゅ訴訟
福井県敦賀市にある高速増殖炉もんじゅの周辺住民が
内閣総理大臣がおこなった核原料物質、
核燃料物質及び原子炉の規制に関する
法律23条に基づき原子炉設置許可処分の無効確認を求めた訴訟である。
本件においては、原子炉設置許可処分にたいする原告適格の問題や
無効確認訴訟で求められる無効事由に明白性を要するかという点や
もんじゅの安全性などについて争われた。
高裁で勝訴も、逆転無罪
1983年、国がもんじゅに設置許可を与えたのは、
高裁により無効と判決が出た。
高裁は、「安全審査に、看過しがたい過誤、欠落がある」からだと、述べている。
だが、最高裁が下した判決は、逆だった。
高裁の事実認定を覆すような明確な論拠を示さないまま、
安全審査は違法・無効とまでは言えないとしている。
「現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができない場合とは、
当該処分に基づいて生じる法律関係に関し、
処分の無効を前提とする当事者訴訟または民事訴訟によっては、
その処分のため被っている不利益を排除することができない場合はもとより
当該処分に起因する紛争を解決するための争訟形態として、
当該処分の無効を前提とする当事者訴訟または民事訴訟との比較において、
当該処分の無効確認を求める訴えのほうが
より直截的で適切な争訟形態であるとみるべき場合をも
意味するものと解するのが相当である」
最判平成4年9月22日