サーベル事件
銃砲刀剣類登録規則
日本では、銃や刀を所持するためには、登録する必要がある。
鉄砲刀剣類所持取締法14条は美術品として価値のある刀剣類の登録を義務付け、
登録に関する細目を規則で定めるとした。
(14条 都道府県の教育委員会は、美術品若しくは骨とう品として価値のある
火縄式銃砲等の古式銃砲又は美術品として価値のある刀剣類の登録をするものとする。
2 銃砲又は刀剣類の所有者
(所有者が明らかでない場合にあつては、現に所持する者。以下同じ。)で
前項の登録を受けようとするものは、文部科学省令で定める手続により、
その住所の所在する都道府県の教育委員会に登録の申請をしなければならない。
3 第一項の登録は、登録審査委員の鑑定に基いてしなければならない。
4 都道府県の教育委員会は、第一項の規定による登録をした場合においては、
速やかにその旨を登録を受けた銃砲又は刀剣類の所有者の住所地を
管轄する都道府県公安委員会に通知しなければならない。
5 第一項の登録の方法、第三項の登録審査委員の任命及び職務、
同項の鑑定の基準及び手続その他登録に関し必要な細目は、文部科学省令で定める。)
制定された規則で定められた、登録できる刀が日本刀に限定し、
外国製の刀は認めないとされた。
銃砲刀剣類登録規則4条 第2項
剣類の鑑定は、日本刀であつて、 次の各号の一に該当するものであるか否かについて行なうものとする。
一 姿、鍛え、刃文、彫り物等に美しさが認められ、
又は各派の伝統的特色が明らかに示されているもの
二 銘文が資料として価値のあるもの
三 ゆい緒、伝来が史料的価値のあるもの
四 前各号に掲げるものに準ずる刀剣類で、その外装が工芸品として価値のあるもの
この日本刀に限定する規則が、法の委任を逸脱して、無効かどうかが争われた。
最高裁は、
「いかなる刀剣類については登録を認めるべきか決する場合にも、
その刀剣類が我が国において有する文化財的価値に対する考慮を
かかすことができないとして、
登録の対象を日本刀に限定したとしても、
法の委任の趣旨をい逸脱する無効のものとはいえない」
とした。最判平成2年2月1日