民法を学ぶ 物



物とは有体物に限られます。(85条)

 

不動産と動産

土地及びその定着物は不動産とされ、それ以外のすべての有体物は動産とされます。(86条1項・2項)

不動産の分類

① 建物のように別個独立の不動産

② 石垣のように土地の一部として土地権利の変動に従うもの

③ 立木のように、一定の手続きを踏めば別個独立の物として認められるもの

不動産以外の有体物はすべて動産です。土地に付着していても定着していなければ、

動産となり、商品券などの無記名債権も動産とみなされます。(86条3項)

 

主物と従物(87条)

従物

① 主物の常用に供される

② 主物に付属すると認められる程度の場所的関係にある

③ それぞれが別個独立している

④ 主物と同一の所有者に属する

従物は主物の処分に従う。(87条2項)

※87条は任意規定 当事者が意思表示したときはこの限りではない。

抵当権

主物についての抵当権は従物にも及びます。(大連判T8.3.15)

従物についての対抗力は、主物の対抗要件を備えることにより付与されます。(最判S44.3.28)

 

 元物と果実

天然果実

物を用法どおり使用するとえられる産出物(88条1項)

法定果実

物の試用対価として受け取る金銭等(88条2項)

 

八十五条

この法律において「物」とは、有体物をいう。

第八十六条

 土地及びその定着物は、不動産とする。
 不動産以外の物は、すべて動産とする。
 無記名債権は、動産とみなす。
第八十七条
 物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。
 従物は、主物の処分に従う。
第八十八条
物の用法に従い収取する産出物を天然果実とする。
 物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実とする。
(果実の帰属)
第八十九条
天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。
 法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれを取得する。

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