宝塚市 パチンコ条例事件
◇行政上の義務履行を求める訴訟は、
法律上の訴訟にあたらない。
宝塚市は条例により、パチンコ店等の建築に対して条例で規制していた。
規制に従わない業者に対しては、中止命令等をなしうることなどを規定していた。
業者が市の条例に従わず、建築を続行したため、市が工事の中止を求めた裁判である。
第一審は、本件条例の目的である良好な住宅、
自然および文化環境の保持には風俗環境の保持も含まることから、
風営法と本件条例の目的は、相当な部分で共通し、重なり合うとした。
そして、風俗営業等の規制ならび業務の適正化等に関する法律(風営法)が
風俗営業の場所的規制について政令の基準に従い条例で定めうるとするところ、
これを受けた政令が、
「制限地域の指定は、良好な風俗環境を保全する為に必要最小限のものであるこ」
と指定し、また、風営法には風俗営業の場所的規制に関し条例に委任する規定が
ないことを根拠に、風営法は風俗営業の場所的規制について全国的に一律に
施行されるべき最高限度の規制を定めたものであり、
市町村が条例により更に規制をすることは風営法より排斥されるとした。
市側の訴えを却下した。
◇宝塚市、損害賠償
業者側は市の違法な条例により、パチンコ店建設を指し止めた為、
損害を被ったとして、市側に計19億円の損害賠償請求をした。
最高裁は市側に、3億4800万円の支払いを命じ、利子を含め、
4億8700万円の支払いが確定した。