ポアロちゃんの相談室#6


婚約破棄した彼女と

その浮気相手に慰謝料請求したい

 

 

poaro

 

 

 

 

 

 

(ポアロちゃん)

 

 

今回の相談者は男性の方。

 

相談者「1年ほど交際して、結婚の約束をし、婚約指輪も渡し、結納金も渡し、

結婚式場の申し込み費用も払ったんですけど、

同居して3カ月で彼女が出ていって・・・

しかも、彼女、会社の同僚(男)の家に通っているみたいなんです」

 

ポアロ

 

「不当に破棄された婚約は不法行為で債務不履行だから、

損害賠償請求と慰謝料請求も可能だよ。

婚約期間はどのくらい?」

 

相談者「3カ月ぐらいです」

 

ポアロ

「婚約期間が短いと、彼女に請求できる慰謝料は100万~150万ぐらいかな。

損害賠償請求として指輪代、結納金、結婚式場の申し込み費用、

その他の結婚に係る費用は全て請求できるよ」

 

相談者「彼女の浮気相手にも慰謝料を請求したいです」

 

ポアロ

「浮気相手に対しての慰謝料は判例では、30万ぐらいだよ。

婚約破棄の責任は婚約者の女性にあり、男性自身の責任は少ないという

判例が出ているんだ。ここが、「結婚してる」とこと一番の相違点かな」

 

相談者「もちろん証拠は必要ですよね?」

 

ポアロ

「そうだね。婚約破棄に関して、

相手に100%非があることを証明しないと、

慰謝料の額が下がってしまうよ」

 

相談者「そうですよね。

本当にもう急な事なので、頭の中が真っ白です。」

 

ポアロ

「気持ちはわかるよ。

浮気されていることを知ったら、冷静でいられることは少ないよ。

まだ、結婚する前に気付けて良かったと、前向きに考えるべきだよ。

子供が生まれて、家庭が出来てから、相手の浮気を知って別れるとなると、

もっと悩むよ。子供のこともあるしね。

それに、子供が実際に自分の子でない可能性も出てくる。

結婚する前の相手の信用調査(行動調査)は、

結婚後の生活を考えたら必要だよ」

 

相談者「そうですね。そう考えると、気持ちも楽になります。

がんばって、新しい相手を見つけます。」

 

 

 

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30年前の頭強打事故で1億超賠償 

成人後に障害判明

 

1歳の時に鉄道の高架橋のコンクリートブロックが落下して

頭を強打した東京都の男性(31)が、

成人後に後遺障害が判明したとして、

国鉄の債務を引き継いだ鉄道建設・運輸施設整備支援機構に

損害賠償を求めた訴訟の判決があった。

 

事故は1983年6月に発生。

東京都杉並区の国鉄高架橋の防護壁からブロックが崩れ落ち、

乳母車に乗っていた男性の頭を直撃した。

男性は脳挫傷などの大けがを負い、当時は後遺障害との認識はなかったが、

旧国鉄は翌年、

将来後遺障害が判明した場合は損害賠償義務を負うなどの内容で男性側と示談した。

男性は専門学校を卒業後、知的障害4級と認定された。

 

2009年に病院の検査で高次脳機能障害と診断され、

両親とともに機構を提訴した。

機構側は訴訟で、障害の原因が事故であることは争わず、損害賠償請求権は時効で消滅していると主張していた。

裁判長は、「09年の検査までは後遺障害を認識できなかった」と主張を退けた。

ほぼ請求通り約1億6500万円の支払いを命じた。

 

争われたのは、時効

 

この裁判での争点は、損害賠償が時効で消滅しているかどうかだ。

不法行為による損害賠償は

損害及び加害者を知った日から3年、不法行為があったときから20年

とされている。

 

今回の判決では、

損害発生時期は、「2009年、検査で障害が判明した時点」を、損害の発生時期。

時効の起算点は曖昧な所も多いので、裁判の争点になることがある。

 

以前のブログにも書いたが、不貞行為の慰謝料の時効の起算点は、

離婚をした場合は、離婚時が起算点になる判決が出ている。

これは、離婚=損害と考えられた判決だ。

 

時効の起算点は、ケースバイケースである。

 

(離婚をしなければ、

損害=配偶者が相手と肉体関係をもったときになるだろう)

 

 

 

 

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ポアロちゃん相談室#5


夫の浮気相手から慰謝料を取りたい

 

poaro

 

 

 

 

 

 

(ポアロちゃん)

 

相談者「夫がもう3年以上愛人と不倫関係をしています。

なんとか、愛人から慰謝料を取りたいんです。」

 

ポアロ

 

「まずは、不貞の証拠だね。

肉体関係が継続して行われていた証拠を取らなければいけない。」

 

相談者「メールがあります。」

 

ポアロ

 

「メールには、肉体関係を示唆する文面がある?」

 

相談者「若干、あります。」

 

ポアロ

「それなら、メールでも慰謝料を取れるよ。

それだけで心配ならホテルの出入りなどの証拠を取ることをすすめる。

内容が弱い場合、そのメールで夫か愛人が肉体関係を認めれば、

慰謝料を請求通りに取れるけど、認めなかった場合、

減額や最悪、慰謝料を取れないことも有り得るよ。」

 

相談者「そうですか、慰謝料ってどれくらい取れますか?」

 

ポアロ

「通常は200万前後が相場かな。

離婚をする、しない、によっても金額は異なるし、

配偶者が交際に積極的だった場合などは、減額される可能性はあるよ。」

 

相談者「裁判した場合ですか?」

 

ポアロ

「そうだね、裁判になると、慰謝料の額はいろんな理由により、

減額される可能性はある。

だから、最初の慰謝料請求額は500万前後を請求するべきだよ。

相手に地位や名誉がある場合、示談交渉で払う場合もあるしね。」

 

相談者「裁判までいかないときも、あるんですね?」

 

ポアロ

証拠さえ確実に揃っていれば、行かない場合もあるよ。

そっちの方が貴女にとってもいいよ。

裁判まで行くと長くなるし、心理的・体力的にも負担が大きい。

話合いで決着つけた方がいいよ。」

 

相談者「まずは、どうすればいいですか?」

 

ポアロ

「まずは、証拠。

証拠をとったら、慰謝料請求。

まずは、はがきでもいい。相手が応じない場合は、内容証明を送る。

もちろん、いきなり内容証明でもいい。

この段階で、いきなり相手を訪ねて、和解契約書を書かせるのもいい。」

 

相談者「和解契約者?」

 

ポアロ

「そう、愛人が犯した不法行為に対し、示談金(慰謝料)を払い、

今後はお互いに債権債務はないこと記すんだ。

この、いきなり突撃は効果が高い。

相手に考える暇を与えず、こちらのいい値で示談をまとめてしまうんだ。

ただ、ここであまり高い値を慰謝料に設定してしまうと、

後々の、裁判で取り消されてしまうんだ。」

 

相談者「そうなんですか?」

 

ポアロ

「1000万払うと書いて、相手に署名捺印してもらっても、

これは、心理留保っていって民法の規定にあり、

意思の不存在(意思の欠缺)の一種とされ無効となるんだよ。

相手に考える暇を与えない、というのがこれにあたるんだ。

だからといって、全てが無効になるわけでもなく、

慰謝料の相場の3倍以内なら、認められる判例が出ているんだ。」

 

相談者「5~600万ぐらいですね」

 

ポアロ

 

「そうだね。

これで折り合いがつかなければ、調停、裁判になるって、流れだよ。」

 

相談者「わかりました。今日はありがとうございました。」

 

 

 

 

サファイアの色が変わるとき



 

真実の愛・誠実・貞操を試す石

 

サファイア

 

 

 

 

 

 

サファイアは、愛の不変を誓う誠実の石とされ、

夫婦和合や、恋人との関係を良くするために効果がある。

貞節な愛を表し、

持ち主に真実、献身と意志の強さを与え、

この石を身につけていると、悪い考えや色欲を消す事ができるので、

僧侶や永久の平和を願う人たちが持つのがふさわしいとされ、

不義や好色な人が持つと色が濁ると信じられている。

古来からサファイアは、不貞の防止効果があるといわれている。

 

サファイアを送られた恋人が不貞を働くと

 

輝きが失せ、色がくすんでいくと、いわれている。

 

他にも、不誠実な人間が触ると、色が変わると信じら、

不義な人や好色な人が持つと色が濁るとされている。

また、恋人に持たせると、愛が冷めてしまった時に色あせるといわれ、

結婚する時にもらうと、愛が冷めていくと色が変わるといわれる。

 

サファイアの色が変わったときは、恋人の心があなたから離れている。

 

あくまでも言い伝えだが、既に恋人や伴侶にサファイアを送った人は、

色あせていないか確認してみるのも、いいかもしれない。

 

 

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ポアロちゃんの相談室#4


別居中の夫から慰謝料を取りたい

 

poaro

 

 

 

 

 

 

(ポアロちゃん)

 

相談者 「別居を初めて、もう直ぐ3年が経つんだけど、

女がいると思うから慰謝料請求したいの」

 

ポアロ

 

「それなら、証拠が必要だね。別居の原因は?」

 

相談者 「勝手に出て行ったのよ。それに3年経つと、不法行為の時効でしょう?

慰謝料請求するなら早くしないと思って・・・」

 

ポアロ

「時効については大丈夫だよ。不法行為の相手を知ったときから3年だし、

損害を受けた時から3年、不貞行為の慰謝料は、

この損害が発生したときは、離婚時という、判例だよ」

 

相談者「なら焦る必要はないのかな・・」

 

ポアロ

「そうでもないよ。

3年ぐらい経つと「婚姻関係が破綻」していると裁判で認められやすくなる。

もし仮に、今すぐに、相手(夫)から、離婚請求されたら認められる可能性は高いよ」

 

相談者「そうなの???」

 

ポアロ

「今は、夫が浮気している証拠が何ひとつ無いからね。

現状は、有責配偶者にならないね」

 

相談者「有責配偶者?」

 

ポアロ

「不貞を行った配偶者のことだよ。自ら婚姻を破綻させておいて、

離婚を請求するなんて信義則に反して許されないんだよ。

だから、今のうち不貞の証拠を取っといたほうがいいよ」

 

相談者「逆にのんびりしてる場合じゃないのね」

 

ポアロ

「そうだよ、離婚をするにせよ、しないにせよ、

放置してることが、一番危険だよ。

ことが(離婚請求されてから)起こってから、

証拠を取る為、探偵に依頼すると大変だよ。

相手も警戒するし、その間だけ会わないかもしれない

それに・・

 

相談者「それに?」

 

ポアロ

「3年以上経つと、相手は既に婚姻関係は破綻してたと、言い出しかねない。

そうすると、裁判になった場合は、夫から慰謝料は取れるけど、

浮気相手からは、慰謝料を取れるかどうか難しくなるよ。

だから、女がいると思うなら、

別居して2年目ぐらいで浮気調査をするべきだったよ。

ただ、まだ3年経ってないからね、大丈夫だと思うよ。

後は、離婚するかどうかで女から取れるかどうかは、変わって来るよ」

 

相談者「離婚しなかったら?」

 

ポアロ

「まあ、取れて50万~150万ぐらいだね」

 

相談者「そうですか。とりあえずは、浮気の証拠だけでも取っときます。」

 

 

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変わりゆく、家族法


実の親不同意でも、特別養子縁組

 

血の繋がりのない女児を7年間育ててきた50代の夫婦が、

法律上も実の親子関係を結ぶ特別養子縁組を求めた家事裁判で地裁は、

「子供の福祉のため」と縁組を認めた。

これは、極めて異例な事である。

 

特別養子縁組とは通常の養子縁組と異なり、

血縁関係のない大人が実親として迎える制度であり、戸籍上も親となる。

基本的には特別養子縁組を行う場合は、実親の同意が必要であり、

虐待などの行為がない中での決定は異例である。

 

審判で実親は

「親子の縁は切りたくない」と主張したが、

裁判官は

「実の親は女児との交流や経済的支援はなく、夫婦に任せきりだった。

子供の利益を著しく害する状況で、

新たな親子関係を築くことが、子供の福祉のため」

と指摘した。

 

夫婦の弁護士は

「虐待がない場合でも。子供の利益を最優先する判断は珍しく、画期的だ。

今後は子の利益を重視する考え方が一般的になっていくのではないか」

と話した。

 

時代とともに変わっていく

 

非嫡出子に相続財産は嫡出子と同じだけ認められる判決が出たのは、記憶に新しい。

このように、時代とともに家族の在り方も変わっていく。

現状は、法律婚と事実婚では、国から受けられ援助も大分違うが、

これも民法上変わる動きがある。

 

婚姻の破綻条件も変わっていく

 

このように家族法が変わっていく中、婚姻の破綻条件も変わりつつある。

現在、民法に規定は一切ないが、婚姻費用を払い、

3年間別居状態であれば、婚姻は破綻していると認められやすい。

(あくまで判例なので諸事情で変わることがある。)

これを、民法改正では2年間とする動きもある。

そして、有責配偶者(婚姻関係の破綻原因を作った方・浮気・不倫を犯した方)

からの離婚請求は現状の民法上認められていないが、

これも、一定期間(約5年)で婚姻の破綻として認められる傾向になりつつある。

 

次の民法改正はでこのあたりの条文も盛り込まれそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

探偵小説 ケース3 「嘘をつく妻」


探偵小説 ケース3「嘘をつく妻」

 

春の訪れを感じさせるような暖かい日の午後。

調査員は、家族と共に都内にある公園へ散歩に出かけていた。

そこで、いつものように携帯電話が鳴る。

03で始まるその番号に見覚えはなく、どうせ何かの営業電話だろうと思いながら、電話に出た。

 

「お忙しいところ大変申し訳ございません。私、株式会社△△△の○○と申します。」(男性の声)

 

いつもの営業電話のお決まりのセリフ。

公園での楽しいひとときに一刻も早く戻ろうとする為、調査員は口早に

 

「何の営業ですか?」

 

すると、電話口で

 

「え?申し訳ございません。営業電話ではないのです。ご相談があってお電話させていただきました。」(男性の声)

 

完全に調査員の勘違いであった。先入観・・・。探偵失格である。

調査員は、公園の一角で電話を片手にペコペコと頭を下げていた・・・。

 

 

2日後、依頼者がオフィスにやってきた。

男性は40代後半。仕事は大手広告代理店の管理職。

(仕事の癖で営業電話の様に電話をしてしまったらしい。)

 

依頼内容は妻の浮気調査。

 

依頼者の話では、

 

 

「浮気をしている可能性は低いと思うが、心配事を抱えたままでは、仕事も中途半端になってしまうので、安心を買うために調査を依頼したい。

2ヶ月前くらいから妻が週に2回ほど、午後6時頃から午後11時頃まで出かけるようになったんです。理由は女子会。近所のママ友同士で女子会を開いては、旦那や子供の愚痴を言い合って、日ごろのストレスを発散しているらしいんです。

別に女子会がダメだとかではなく、怪しいのは下着と服装なんです。

だんだんと妻の下着が派手になってきたのと、服装の趣味が以前と比べて変わったから、妻に聞いてみたら、「男なのに細かいね」と言われました。

それ以来、細かい事を言うのはやめましたが、どうも気になって。

浮気を疑う理由には全然ならないと思いますが、やっぱり安心したいので、調査をお願いしに来ました。」

 

 

調査員の経験上、妻の浮気調査で「女子会」+「下着」+「服装の変化」は8割がクロ。

ただ、依頼者を不安にさせない為にも、このデータは伏せておくことにした。

 

2時間ほど、依頼者からの情報提供を受け、契約書の作成、依頼者との作戦会議をしたあと、

調査員はいつも通り「お任せください!」と力強く言った。

すると依頼者が手を出し、笑顔で握手を求めてきたので、調査員もそれに応じ、依頼者としっかりと握手を交わし、別れた。

 

 

(以下、妻を対象者と記す。)

対象者の予定は前日に判明するらしいので、調査日は急にやってくる。

対象者が、

「明日の夜、女子会だからね~。ご飯は作っておくから温めて食べてよ~。」

と依頼者に言う。

すると依頼者から調査員の携帯電話にメールがくる。

「明日女子会」

暗号でも何でもない。シンプルでわかりやすい。

 

 

浮気調査当日

 

 

午後5時半、調査員は、対象者自宅周辺で張込みを開始した。

依頼者からの情報では、自宅マンションを出た後、駅前までバスで移動し、女子会のメンバーと待ち合わせた後、駅周辺の居酒屋に行く。

これが、女子会の場合の予定。

もし、浮気をしていた場合は、この予定が全て嘘になるので、動きは全く読めない。

調査員は、何事にも柔軟に対応出来るように、頭の中にスペースを作っていく。

 

張込みを開始してから25分ほどしたころ、対象者が自宅マンションから出てきた。

依頼者から預かっていた対象者の写真には42歳の対象者が笑顔で写っていたが、実際に実物を見ると、35歳くらいに見えた。

対象者はマンションから出ると、走ってバス停に向かった。

マンションの出入口からバス停までは、走ると1分もかからない。

バス停は大通りに出たところにあり、調査員は走りながらよく見るとバスがバス停に停車しているのが見えた。

対象者はあのバスに乗車するつもりらしい。。。

調査員も必至に走って、何とか同じバスに乗ることができた。

バスの中では、対象者と調査員だけが、肩で息をしている。

7分でバスは駅前に到着。

バス降車場に、対象者と同年代の女性達が集まっていた。

人数は5人。

5人は、バスから下車しようとしている対象者に手を振っている。

対象者も車内から手を振りかえしている。

調査員は、なぜかホッとしながら、依頼者と握手した時の光景を思い出していた。

依頼者の予想通り、ただの女子会の可能性が高いかも・・・。

合流した6人の女子会メンバーは、駅前の居酒屋に入っていった。

 

調査員もほどなくして店内に潜入する。居酒屋は空いていて自由に席が選べそうだったので、調査員は、女子会の会話が聞こえそうな席を選び、店員に

「あそこ、いいですか?」と尋ね、案内を受けた。

 

この居酒屋は焼酎のボトルがキープできるシステムで、女子会メンバーのテーブルにもキープボトルがあった。それぞれが好きな物で焼酎を割って、お酒の場を楽しんでいた。

 

調査員は、いつも通りノンアルコールビールを注文した。調査で居酒屋に入った時はいつもこれである。

ノンアルコールビールを飲みながら女子会の会話に耳を傾ける。

女子会では、主に50代前半の女性が中心になって話をしていた。

 

「今日も旦那がさぁ~、ここに来る前に一言嫌みを言ってきたけど、無視したわよ。何が女子会だ!って言うけど、自分もゴルフや麻雀ばかりで家にほとんど居ないくせに、たまに早く帰ってきた日が女子会だってだけで、嫌み言うんだからムカつくよね。もっと残業してこいって話よ!給料が上がらないのは、会社の業績が悪いからって言うけど、お前はその会社の一員だろ!お前が会社の業績を上げないから、ずっと安月給なんだろが!会社のせいにして、会社がかわいそうだわ!」

 

女子会一同「わかるぅ~~~~~~~~」

 

調査員は、傾けていた耳を少しずつ塞ぎはじめた・・・。

 

延々と似たような会話が続いた後、揃って、居酒屋を出、

「またね~。」

「また連絡するね~。」

と笑顔で挨拶を交わし、女子会は解散、それぞれが帰路に就いた。

対象者もまっすぐバス停に向かい、バスに乗車。

自宅マンションへと帰って行った。

 

 

翌日、調査員は依頼者に調査の一部始終を報告。

オフィスに入ってきた時は、依頼者の顔が緊張のあまり強張っていたが、

報告が進むにつれて、いつもの優しい顔に戻っていった。

 

「報告ありがとうございます。調査、本当にお疲れ様でした。昨日は浮気をしていない事がわかってホッとしています。安心しました。実は、昨日妻が帰ってきて少し会話をしたのですが、明後日も女子会だというのですが、本当でしょうか?」

 

調査過程で明後日の女子会に関する情報は一切なかった。

調査員と依頼者の間に、若干の沈黙が続いた後、その日、依頼者は明後日の調査もお願いしますと言い残し帰って行った。

 

 

浮気調査 2日目

 

 

この日も前回同様、午後5時半、調査員は張込みを開始する。

前回と違って、午後5時40分ころに対象者は出てきた。前回と違うのは時間だけではなく、服装・化粧も若干ではあるが、違っているように見えた。

ゆっくりとバス停まで歩き、バスに乗車。

7分後、バスは駅前に到着、降車場に女子会のメンバーの姿は・・・ない。

 

対象者はバスを降りると、駅へと向かう。バスでは、カード類(スイカやパスモなど)を使って運賃の支払いをしていたが、駅では、券売機に現金160円を入れ、切符を購入した。

 

調査員は、この時点でがっくりと肩を落とす。このパターンは真っクロのパターン。どこかでこの対象者だけは、シロであってほしいと思っていたから、残念でならない。依頼者と握手した手を見つめながら、いつも以上に冷静になっていく自分に気付いた。

 

対象者は3駅先の駅で下車、自動改札に切符を入れ通過し、駅構内を出た先のロータリーに向かう。

ロータリーには、白色の車が止まっていた。

対象者は運転手と軽く挨拶を交わし、助手席に乗り込んだ。

 

車種は、ト○タ プ○ウス

ナンバーは、△△330 ね02-2△

 

駅前のタクシー乗り場にはタクシーが1台だけ。

その最後のタクシーに今にも乗り込もうとしている男性がいる。

調査員は、走ってタクシー乗り場に行き、あれやこれやと男性に話をし、タクシーを譲ってもらうことに成功。タクシー運転手には事情を説明し、調査に協力してもらえる事になった。

 

調査過程でタクシーを使う事はあるが、調査に協力をしてくれない運転手は結構いる。

車での尾行は難易度が高い。車には、ルームミラーやサイドミラーがあり、常に対象者の視界に入りながらの尾行になるからである。

対象者によっては、信号無視や、逆走を平気でする対象者も中にはいるし、一般的な対象者でも、黄色信号で交差点を通過する対象者は多く、尾行しているこっちが交差点を通過する時には、赤信号になっている。だが、ここで行かないと見失うことになる。

タクシー運転手が嫌うのも無理はない。

ただ、稀に調査にノリノリ?な運転手もいる。あたかもその時だけ、自分も探偵になったかのように、自分の想像している探偵になりきり尾行する。これはこれで、対象者に尾行している事がばれてしまう可能性がある。私達の理想のタクシー運転手は何も聞かずに、ごく自然体で運転・尾行をしてくれる運転手。だが今回は、ノリノリ系だった・・・。

 

 

尾行をしながら、運転手が調査員に話かけてくる。

 

「これは、やっぱり浮気調査ですか?」

「あっ!守秘義務があるから答えれませんね。」

「大変ですね~」

「でも、任せてください!尾行はお手の物です!」

「口も堅いですから。」

 

調査員は、色々と心配になってきた・・・。

道中、素人探偵丸出しの尾行を繰り返しながら、20分ほど走り、対象者達はレストランの駐車場に入った。

タクシーも駐車場に入ろうとしたので、調査員は、必死に阻止し、手前で停止させ、5000円を手渡した。

 

「調査にご協力いただきまして、ありがとうございました。おかげさまで追うことができました。おつりと領収書は結構です。また機会があったらお願いします。」

 

と、お礼を述べ、下車した。

調査員は特別、神様を信じていないが、何となく神様にお礼を言いたくなった・・・。

 

駐車場内では、運転手と対象者も車から降りようとしていた。

調査員は、運転席側にビデオカメラのピントを合わし、下りてくるのを待った。

背後から視線を感じたが、恐らく、先程のタクシー運転手が興味本位に見ているのだろうと無視した。

 

運転席から降りてきたのは男性。

推定年齢は30歳前後。

髪は黒髪・短髪。

服装はビジネススーツに革靴。

気になる顔は・・・。普通・・・。

どちらかと言うと、依頼者の方が爽やかで男前に思える。

 

調査員は、男性と対象者の顔を交互に撮影した後も、レストランに入っていく2人の後姿を撮影し続けた。

2人がレストランに入ったその時、調査員の背後から「プップッ」とクラクションがなる。

調査員は振り返り、引きつった笑顔で再度、素人探偵に別れを告げた。

 

レストラン店内での様子は、正直なところ依頼者に報告するには気が引けるほど、仲が良く、まるで学生時代にタイムスリップしたかのような2人だった。

 

“お互いにあーん”とか・・・

“テーブルの下で手を握ったり”とか・・・

 

2人が、浮気を満喫している間に、調査員達は、この後の調査準備にとりかかる。

本部から車とバイクが運ばれ、それぞれが配置につき、白色のプ○ウスをロックオンする。

 

レストランを出た2人は、国道○号線を、対象者の自宅とは反対の方向に進んでいく。

その先はこの辺りでも有名なホテル街・・・。

調査員のハンドルを持つ手に力が入る。

 

相手に気付かれないように、車とバイクが連携しながら、尾行・撮影を進めていく。

数分後、白色のプ○ウスは、ネオンが眩しいホテルの駐車場へ・・・。

車から降りた2人は、腕を組みながら、ホテルの中に入り、部屋を選ぶ。

この熱々な2人の行動を、いたって冷静な調査員が、一部始終カメラにおさめていく。

 

 

2人がホテルに入って、1時間半が経過した頃、熱々な2人が出てきた。

2人は車に乗り込み移動を開始する。白色のプ○ウスは来た道を戻り、対象者を乗せた駅前のロータリーに停車、2人は車内で、熱い挨拶を交わし、別れた。

 

 

調査員達は、いつもの浮気調査どおりに、対象者の尾行から男性の尾行に調査を移行させる。

今後、依頼者がこの男性に慰謝料を請求する際、内容証明書の郵送や、民事訴訟を起こすのに住所・氏名は必要になる。

男性は、対象者と別れた駅から、1時間ほど移動した閑静な住宅街にある戸建の駐車場に車を駐車させた。

車から下りた男性は、自ら玄関の鍵を開け、住宅内に入っていく。

玄関からは、子供たちの声が聞こえてきた。

 

「パパ~、おかえり~」

 

調査員は、冷静に撮影を続ける。

 

住宅玄関にかかっている手作りの表札には

 

○○ ○○(男性の名前)

○○(男性の妻の名前)

○○○(男性の長男の名前)

○○○(男性の長女の名前)

 

と、家族たちの名前が記載されていた・・・。

 

 

後日、オフィスにて依頼者への報告が行われ、今後の対応などアドバイスをした。

今回の案件は、ただの不倫ではなく、ダブル不倫・・・。

相手の男性にも、家族がある・・・。

この事が公になれば、男性側の家族も壊れるかもしれない・・・。

依頼者はうつむき考え込む。

どうすれば、一番いいのか・・・。

これまでの案件で、ダブル不倫のケースは結構多く、調査員は、様々な結末を見てきた。

今回の依頼者にも、数々の結末の事例をはなし、よく考えてからでも遅くはないとアドバイスをし、報告を終了した。

 

 

3日後、依頼者から電話が鳴る。

 

「いろいろ考えたが、自分の人生は1回しかないので、やっぱり後悔したくありません。相手の家族、特に子供たちの事を考えると、気が重いですが、しっかりと自分のしたことの責任を取ってもらおうと思います。ですので、弁護士を紹介して下さい。お願いします。」

 

 

調査員は、依頼者に弁護士の連絡先を伝え、受話器を置いた。

調査員は思った。

依頼者は、何も悪くない。むしろ被害者である。なのに、他人の家族の心配までし、責任すら感じている。初めて会ったときに握手した手を、眺めながら、依頼者の幸せを切に願った。

 

その後、特に依頼者からも弁護士からも連絡はない。特に弁護士から連絡がない時は、希望通りの慰謝料が取れ、依頼者がスムーズに再出発が出来たというである。

 

 

あれから1年、

 

 

調査員は、家族と共に都内にある公園へ散歩に出かけていた。

芝生の上に寝転がりながら、子供と犬と戯れていた時、一人の人物が調査員の視界に入ってきた。

あの時の男性・・・。と男性の家族たち。

依頼者は、離婚し、再出発をしたそうだが、相手の男性は離婚せずにすんだのか?

 

調査員は、子供たちと楽しそうに遊ぶ男性を眺めていた・・・。

 

hy東京探偵事務所

ポアロちゃんの相談室#3


探偵ポアロちゃんが相談者の悩みに答えます。

私、愛人なんですが、慰謝料請求をしたい

 

poaro

 

 

 

 

 

 

本日の相談者は愛人関係を5年も続けてる女性の方

 

相談者「付き合ってる彼氏がいるんですけど、不倫なんです。

彼、奥さんとは「別れる」って言って付き合い始めてずるずると、5年・・・

もういい加減、うんざり、別れて、騙してた分慰謝料請求したいの」

 

ポアロ

「それは無理だよ。妻がいる男性と結婚の約束をしても、

公序良俗に反して無効だよ。(民法90条)

それを理由に訴えを起こしたとしても、

情交関係継続の責任は双方の共同責任であるとして、

民法708条の法の精神に反するとして、

棄却されるよ。」

 

相談者「そんな、5年も彼のことを待ったのに・・・」

 

ポアロ「日本は法律婚主義だから、愛人には何の権利もないよ。

ただ、認められたケースもあるよ。

誓約書で妻と別れて結婚する、しなければ慰謝料を払うと書いたケースや、

男が嘘をついて、妻とはもう別れたといって交際したケースや、

これも、男が嘘をついて、「妻と別れたい」などと言い、

社会的に未熟な未成年(19歳)の女性を妊娠させたケース、

他には、妊娠して、一旦は同棲関係など持てば、認められる場合もある。

ただ、奥さんには慰謝料を払わなければいけないけどね。」

 

相談者「そうなんですか・・・私の場合は、なにも当てはまらない・・・

私の5年間を返してほしい・・・

 

ポアロ「しょうがない、不倫をした貴女が悪い。

相手から迫られたとしても、奥さんと別れるまで肉体関係を持つべきではない。

それに、「妻とは別れる」なんてすぐ口にするような男にろくな奴はいない。

これ以上、不倫関係を続けても、貴女に未来はないよ。

相手の奥さんに慰謝料請求される前に、別れた方がいい。」

 

相談者「そうします・・・」

 

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ポアロちゃんの相談室 #2


探偵ポアロちゃんが相談者の悩みに答えます。

盗聴されてる気がするんです。

 

poaro

 

 

 

 

 

 

本日の相談者は女性 の方。

 

相談者 「なんだか最近盗聴されてる気がするの?

警察に行った方がいいかしら?」

 

ポアロ

 

「盗聴に関しては警察に行っても意味がないよ。

日本では、盗聴自体は犯罪行為にはならないんだよ。」

 

相談者 「そうなんですか?]

 

ポアロ 「そうなんだよ、盗聴を取り締まる法律はないんだ。

けど、盗聴した内容を第三者に漏らしたりすると、犯罪だよ。(電波法59条)」

 

相談者 「それだけですか?」

 

ポアロ「後は、住居侵入罪や器物損壊罪かな。

そもそも、なんで盗聴されてると思ったんだい?」

 

相談者 「携帯電話で話してると雑音が凄いです。」

 

ポアロ「それは、携帯の故障の可能性が高いよ。

そもそも、携帯電話と盗聴器の電波の種類が違うんだよ。

携帯電話の電波はデジタル回線で盗聴器はアナログ回線だから、

雑音が入ることはないんだ。

携帯電話の会話の中身を盗聴できるのは、警察などの機関が裁判所の許可を得て、

携帯電話会社の交換機で盗聴をするしかないよ。」

 

相談者「そうなんだ。少し安心したわ」

 

ポアロ「ただ、コードレス電話はアナログ方式のものが多いから、

盗聴される可能性はあるよ。

後は、スマートフォンに盗聴アプリをダウンロードされてしまうことだよ。

これは、見抜きづらいね。見た目からは隠すことが可能だからね。

ただ、電池の消費が激しくなるね。ただこれは、犯罪だよ。」

 

相談者「盗聴器を探すコツみたいのある?」

 

ポアロ「部屋に見慣れないものが置いてあったら、怪しかな。

今は、電卓や傘、カード型の盗聴器もある。

ただ、このタイプは電池のもちも悪く、4日ぐらいしか盗聴できないよ。

後は、付けた覚えのないコンセントかな。

これは、半永久的だから、一番気をつけないといけない。」

 

相談者「ねえ、犯人は?」

 

ポアロ「身近な人間が多いよ。彼氏とか友達。

まあ、顔見知りだね。

家に招いたときに仕掛けられる可能性が高いよ。

人の家に勝手に忍び込むには、それなりの技術が必要だよ。

リスクもあるしね。盗聴だけの為に、忍び込む人間は少ないよ。

こっちの人の方がキケンだね。」

 

相談者「それじゃ、誰も信用出来ないよ。」

 

ポアロ「誰も信用しないで生きるのか、騙されても信用して生きるのか、

人を騙して生きるのか、自分の見る目の無さを嘆くのか、

それは、自分自身の中でケリをつけて生きて行くしかない。」

 

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ストリートビュー訴訟 プライバシーの侵害



hy tokyo m3

原告の敗訴が確定

福岡市の女性がグーグルの日本法人に損害賠償を求めた訴訟の上告審決定があった。

女性はネット検索大手グーグルの「ストリートビュー」で、下着などの洗濯物を撮影、

公開されプライバシーを侵害されたとして、提訴した。

 

だが、大橋正春裁判長は、女性側の上告を退ける決定をした。

これで女性の敗訴が確定した。

1審・福岡地裁は、画像について

ベランダに掛けてある洗濯物らしきものが何かは判別できず、個人を特定するには至らない」と指摘。

プライバシー権侵害を認めず、2審・福岡高裁も支持した。

 

ストリートビューは、プラバシーの侵害にあたらないのか?

 

過去の判例でプライバシー権についてこんな見解がある。

個人の顔や姿形については、「肖像権」として民法上保護されている。

個人の私的事項についても、「私生活をみだりに公開されない権利として」プライバシー権がある。

これらをふまえると、プライバシーの侵害にあたるのは、

ベランダの洗濯物が個人を特定できた場合のみである。

高裁では、「個人の顔や姿形以外の個人の私的事項についてもそれを無断で撮影する行為はプライバシーの侵害にあたる

との見解を表しているので、

極端な事を言えば、下着に名前が書いてあり個人のものと特定ができれば、

損害賠償にあたるのかなと・・・

(あくまでも個人的見解です。)

 

 

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