被疑者の権利

被疑者の権利 



 

 

 

令状主義

 

日本国憲法において、犯罪による逮捕には原則として、

司法官憲が発する令状を必要とします。(現行犯を除く)

 

憲法第三十三条

何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、

且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

 

 

 

緊急逮捕

 

刑事訴訟法210条には、緊急逮捕が認められている。

このことについて、憲法上では、明示がないので、違憲かどうかが争われた。

最高裁の判断は、

「厳格な制約の下に、罪状が重い一定の犯罪のみについて、

緊急已む得ない場合に限り、逮捕後直ちに裁判官の審査を受けて

逮捕状の発行を求めることを条件とし、被疑者の権利を認めることは、

憲法33条の規定の趣旨に反するのではない」とした。

最大判S30・12・・14

 

 

 

住居等の不可侵

 

憲法において、住居、書類及び所持品についての侵入、捜索及び

押収は原則として令状が必要とする。だが、条文に明示されてるように、

逮捕に伴う場合や合理的な範囲内であれば、令状は必要としない。

 

三十五条

何人も、その住居、書類及び所持品について、
侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、
第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、

 且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。

 2  捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。

 

 

 

 違法収集証拠の排除

 

刑事訴訟において、たとえ犯罪事実を立証できる証拠だとしても、

違法に収集された証拠は認められない。

これは、憲法三十五条の主旨に反する。

最高裁は

「令状主義をの精神を没却するような重大な違法があり、

これを証拠として許容することが、

将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと

認められる場合においては、その証拠能力は不定される」とした。

 

最判S53・9・7