リスクをとるか、とらないか(探偵の判断力)
「リスクをとる時、とらない時──探偵の判断力とは何か」
探偵という仕事は、常に「判断」の連続です。
現場では、一瞬の判断が調査の成否を分けると言っても過言ではありません。
中でも重要なのが、「“リスクをとる”“リスクをとらない”」の判断。
無理をすれば証拠が取れるかもしれない。
しかし、無理をすれば調査が露見するリスクも同時に高まる──。
探偵が“リスクをとる”と判断するのは、それがご依頼者様の利益につながる可能性が高く、なおかつ被害を最小限に抑えられる状況に限られます。
たとえば、対象者がホテルへ入る直前。
見失えば証拠が得られない。
そんな局面であれば、多少の接近や移動ルートの変更といった“リスク”を選ぶこともあります。
一方で、“リスクをとらない”という選択もまた、プロの判断です。
たとえば、対象者がこちらに気付きかけている場合や、一般の人々が多い場所で不自然な行動を取れば、逆に調査全体が失敗に終わる可能性がある。
そのような時は、あえて一歩引き、次の機会に賭ける判断が求められます。
この判断には、経験と冷静さ、そして想像力が必要です。
「今、対象者は何を考え、何を警戒しているのか?」
その一歩先を読み、探偵は行動を選びます。
調査において大切なのは、“必要な勇気”と“適切な冷静さ”を状況に応じて切り替えられる判断力。
これこそが、我々探偵の仕事に不可欠な資質です。
どんな調査であっても、「ただ追えばいい」わけではありません。
ご依頼者様の信頼に応えるためには、成功に向けて“リスクの質”を見極める力が必要なのです。