不貞慰謝料請求の判例 case.4
「面会行為」いわゆる、ランチやお茶などと言った行為は、不貞行為(不法行為)となるか、争われたケースがある。
妻が夫に内緒で、男と会ったり、メールのやり取りをしていた行為を違法な交際だと主張して争ったのだ。(東京地方裁判所平成20年12月4日)
しかしながら、同裁判例は「これらの行為が不法行為を構成するとは言えない」としている。
つまり、妻が週に2.3回、異性と昼間に会っては会食し、週に3回は夕食を共にしたほか、映画鑑賞、喫茶などを繰り返しても、これらは、婚姻関係を破たんに至らせる交流とは認めがたく、不法行為に当たらない。としている。
ただし、事案によっては、面会行為が不法行為に当たるケースもある。
それが、東京地方裁判所平成25年4月19日の裁判例で、かつて不倫関係にあった2人が深夜の時間帯に面会行為をしていたというものであった。
裁判所は「深夜の時間帯に面会行為を行う事は、再び不倫関係を再開したと疑いを抱かせるのに十分であり、婚姻関係を破たんに至らせる行為であると認められる」と判示した。
このように、単なる面会行為でも、不法行為を構成する可能性がありうる。(参考:不貞慰謝料請求の実務 著者 中里和伸弁護士)
~探偵の一言~
今回のcase.4は面会行為が不貞になるか、というものでした。
不法行為=肉体関係というのは周知だと思いますが、面会行為のみでも不貞になる可能性があるのですね。
幾つかの条件が重なれば、の話ですが、、、。
かつて浮気・不倫をしていたパートナーが、十数年経ったのち以前と同じ相手と不倫(または深夜の面会)を再開する、というケースは実際にあります。
十数年前の不倫でも、再び不倫関係を再開したと疑いを抱かせ、婚姻関係が破たんすれば、十分に慰謝料請求が認められる可能性はあるようです。