用益物権 地役権

第二百八十条

地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。

便宜を受ける土地を要役地、便益を供する土地を承役地といいます。

要役地は一律の土地でなければなりませんが、承役地は、一律の土地の一部でもかまいませんし、隣接している必要もありません。

 

随伴性・附従性

第二百八十一条
地役権は、要役地(地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるものをいう。以下同じ。)の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となるものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
 地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。
※要役地の所有権につき移転登記すれば、地役権の移転を承役地の所有者に対抗できます。(大判T13.3.17)
不可分性

第二百八十二条
土地の共有者の一人は、その持分につき、その土地のために又はその土地について存する地役権を消滅させることができない。
 土地の分割又はその一部の譲渡の場合には、地役権は、その各部のために又はその各部について存する。ただし、地役権がその性質により土地の一部のみに関するときは、この限りでない。

時効・取得

第二百八十三条

地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。

※継続的行使されていると認められるためには、通路が要役地の所有者によって開設されている必要がありあます。

第二百八十四条 
土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者も、これを取得する。
 共有者に対する時効の中断は、地役権を行使する各共有者に対してしなければ、その効力を生じない。
 地役権を行使する共有者が数人ある場合には、その一人について時効の停止の原因があっても、時効は、各共有者のために進行する。

 

 

 

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