結婚前調査は裏切り?保険?
「結婚前調査なんて、人を疑うみたいで嫌だ」
「相手にバレたら関係が壊れてしまうかもしれない」
そう思われる方は少なくありません。
一方で、当探偵事務所には結婚前調査を依頼される方が年々増えているのも事実です。
結婚は人生の中でも大きな決断です。
人は幸せな未来を思い描いて結婚を決めますが、その裏で
「本当にこの人を信じていいのか」
「何か隠し事があるのではないか」
という小さな不安が、結婚を目前にしたタイミングでふと顔を出すことがあります。
実際に結婚前調査を依頼したことで、結果として“結婚をやめる決断”をされた方もいれば、逆に“安心して結婚に踏み切れた”という方もいます。
つまり、結婚前調査は相手を裏切るためのものではなく、ご依頼者様の人生を守る“保険”としての側面が大きいのです。
■結婚前調査の依頼理由はさまざま
結婚前調査のご相談内容で多いのは、
・交際期間が短く、相手の素性を知る時間が十分ではない
・相手の話す内容に矛盾を感じる
・親や周囲に調査を勧められた
・お金の使い方や借金があるか気になる
・家族構成など、自分では調べにくいことを確認したい
といったものです。
特に最近は、マッチングアプリやSNSで知り合って交際に発展するカップルが増えています。
出会いの手段として一般的になった反面、相手の職業や家族構成を偽っていたり、既婚者であることを隠して交際していたりするトラブルが後を絶ちません。
調査をしておけば防げたのに…というお話を伺うたびに、結婚前調査の必要性を改めて感じます。
■調べるのは「信じたいからこそ」
ある30代女性の事例をご紹介させていただきます。
彼女は婚約者の話をどこか信用しきれない部分があり、思い切って調査を依頼されました。
彼は金融系の大手外資系企業勤務と聞いていましたが、実際には畑違いの業種で中小企業に勤めていた事実が判明。
もちろん、これを知ったからといって即座に破談にするかはご依頼者様次第です。
彼女の場合は、相手に正直に事実を話してもらい、結婚前にお互いの状況を整理することで、信頼関係を築き直す道を選ばれました。
結婚前調査をする人がみな「裏切り者」なのではありません。
むしろ「この人とずっと一緒にいたい」と思うからこそ、後々の後悔やトラブルを防ぐために、勇気を出して調べるのです。
もし調査の結果、何も問題がなければ、それは何よりの安心材料になります。
■家族を守るための“保険”という考え方
結婚とは、本人同士だけでなく家族同士も関わり合う大切な契約です。
配偶者に隠し事があったり、家族に問題があったりすると、自分だけでなく親兄弟、将来生まれてくる子どもにまで影響が及ぶことがあります。
探偵として印象に残っているのは、親御さんが結婚前調査を強く希望された事例です。
「娘は相手を盲目的に信じているけれど、どうもおかしい気がする」
と不安を口にされ、調査を進めたところ、相手男性は風俗遊びが常習化しており、多額の借金がありました。
ご両親は娘さんに事実を伝え、結果として結婚は破談になりました。
娘さんは、
「自分では絶対に調べなかったと思うから、調べてくれて本当にありがとう。」
と言ってくださったそうです。
人生の大切な決断に、余計なトラブルを持ち込まないために──
結婚前調査は、未来の自分や家族を守る保険だと考えていただきたいのです。
■探偵だから伝えたいこと
私たち探偵は、調べた内容を淡々と報告するだけではありません。
「調べることでどうするか」
「事実を知った後にどう行動するか」
が何より大切だと考えています。
相手のすべてを疑う必要はありません。
ですが、万が一の不安があるなら、それを見て見ぬふりをするよりも、きちんと確かめてから結婚の判断をするほうが、長い人生を考えたときに後悔しない選択になると私たちは考えます。
結婚前調査は裏切りではありません。
むしろ、「信じたいからこそ調べる」。
安心して信じるための、一つの保険として選択肢に入れてみてください。