DV夫の浮気調査
今回ご紹介させていただきます事例は、DV(配偶者暴力)と浮気が重なったケースになります。
ご依頼者様は40代半ばの女性。
夫は50代前半。
ご依頼者様が20代前半の時に結婚し、成人したお子様が一人いらっしゃいます。
子どもが小さい頃は家族三人でささやかながらも穏やかな暮らしを続けていたようです。
夫は自営業を営んでおり、結婚当初は商売も順調で、近所でも「仕事熱心で人当たりの良い人」と評判だったそうです。
ところが、数年前から取引先の倒産や景気悪化で経営が傾き始めました。
それとともに夫の酒量は増え、機嫌が悪いと暴言を吐き、物に当たり、
ついには妻への暴力にまで発展していったといいます。
「最初は私が我慢していれば丸く収まると思っていたんです。
お酒さえ飲まなければ、普段はいい人だから…って。
でも、気づけば私も子どもも夫の顔色ばかりをうかがうようになっていました。」
子どもはすでに成人し、就職して家を出ていましたが、
たまに帰省するたびに、父親の変わり果てた姿と母親の怯えた表情を見て心を痛めていたそうです。
「子どもには本当に申し訳なくて…
何度も『別れたら?』と言われました。
でも別れるって簡単に言うけど、別れ話をしただけで逆上して何をされるか分からない。
自営業だから生活費だって安定しないし、
私ひとりで家を出るお金もどこから捻り出したらいいか分からなかったんです。」
そんな折、夫の様子に新たな違和感を覚えたといいます。
飲み会が増え、帰宅時間も深夜や朝方になり、
「取引先の接待だ」
「仕事の相談だ」
と言い訳をして、帰ってこない日も増えたとのこと。
「酔って帰ってくる夫からお酒の匂い以外に、
女性用の香水のような匂いがしたこともあって…。
でも問い詰める勇気はない。
私が疑っていることがバレたら、殴られるかもしれないから。」
そんな状況が続く中、子どもに背中を押される形で、
勇気を振り絞り、当探偵事務所にご相談に来られたのが始まりでした。
■安全確保を最優先に
DV案件では証拠収集そのものが大きなリスクを伴います。
当社ではまず、ご依頼者様の安全を第一に考え、
弁護士やDV被害者支援センターへの平行したご相談をお勧めしました。
「調査のことが夫にバレたら?」
「証拠を手にした後、どこに逃げればいい?」
ご依頼者様と一緒に、
万が一のときにはどこに避難するか、
成人したお子様に連絡をどうつけるか、
公的支援はどこが使えるか、
ひとつずつ確認しながら調査を進めることにしました。
■DV(配偶者暴力)の証拠収集
ご依頼者様にはご相談時に、DVの証拠収集としていくつかお願いをさせていただきました。
・可能な範囲で日記を書くこと。
・ご主人との会話は全て録音しておくこと。(可能なら撮影も)
・万が一、調査期間中に暴力を振るわれたときは、病院に行って診断書を取得すること。
・殴られたり、蹴られたりした箇所を写真で記録すること。
・暴力がひどい時はすぐに警察と弁護士に連絡すること。
■浮気調査開始
早速、浮気調査を開始。
結果はすぐに現れました。
夫は自営業という自由な立場を利用し、
「取引先との打ち合わせ」という名目で昼間から女性と会っていました。
女性と合流した夫は、ランチのあと、コンビニでお酒を購入し、女性宅と思われるマンションに入っていきました。
二人は19時頃にマンションより出てきて、タクシーで移動。
繁華街にある雑居ビルに入り、スナックへ。
浮気相手の女性はこのスナックの店主(ママさん)でした。
夫は週に3~4日は、このように同じ行動を繰り返しており、仕事に身が入っていない様子。
お金に余裕がないはずの経営状態で、
浮気相手にはプレゼントを渡していた形跡も見つかり、
ご依頼者様は悔しさと同時に
「やっぱり現実なんだ」と深いため息を漏らされていました。
■証拠が「人生を立て直すための盾」になる
証拠が揃ったあと、ご依頼者様はしばらく行動を迷われました。
「これを突きつけたら、暴力がもっとひどくなるかも」
「別居してもお金がないし、弁護士費用だって…」
こうした不安を払拭するために、
弁護士や支援機関の担当者に相談し、
・離婚調停の進め方
・保護命令の申立て
・緊急避難できるシェルターの利用
・成人したお子様の住居へ一時的に避難する可能性
など選択肢をひとつずつ検討していきました。
最終的に、ご依頼者様は成人したお子様の自宅に身を寄せながら、
弁護士を代理人として離婚調停を申立てました。
暴力と不貞行為を同時に立証できたことで、
夫側は強気に出ることができず、
慰謝料の支払いと有利な条件での財産分与で調停が成立しました。
■「もう私一人で我慢しなくていい」
ご依頼者様は最後に、静かにこう言ってくださいました。
「子どもに背中を押されて、勇気を出して本当に良かったです。
何年も我慢して、自分を責め続けていましたが、
証拠があったから弁護士さんも動いてくれたし、
『私のせいじゃない』って初めて思えました。」
DVと浮気が重なる案件では、
「証拠を取っても怖くて何もできない」
と思い込んでしまう方が多いです。
でも実際には、証拠があるからこそ
弁護士が動ける。
支援機関が手を差し伸べられる。
子どもや家族が味方になれる。
これが現実です。
一人で抱え込む必要はありません。
あなたの勇気が、きっと未来を変える一歩になります。
当探偵事務所では、DVを伴う浮気調査は、
安全を最優先に進めます。
どんなに小さな一歩でも構いません。
もう我慢するのはやめてご相談ください。
(掲載許可いただいております。ご協力に感謝いたします。)